【医師監修】毛孔性苔癬の治療方法
腕の毛穴が詰まって盛り上がり、触るとブツブツ・ザラザラしている。こすっても洗ってもとれない、二の腕を露出する服が着れないとお悩みの方は多いのではないでしょうか?
一見ニキビのようにも見えますが、ニキビとは別の皮膚トラブルで、正式名称を「毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)」「毛孔角化症(もうこうかくかしょう)」という皮膚疾患になります。また別名「サメ肌」と呼ばれることもあります。
今回は「毛孔性苔癬」の原因と治療法についてお伝えしていきます。
毛孔性苔癬とは
毛孔性苔癬の根本的な原因は、まだはっきりと解明されていません。遺伝傾向が強いと考えられている他に、ホルモンの代謝異常、ビタミンの欠乏、外的刺激などの要因が絡まることで、毛孔性苔癬が発生すると言われています。
二の腕や肩、背中、頬などの毛穴に角質が肥厚し、炎症のある赤みによるもの、色素沈着による薄い茶褐色のもので硬いぶつぶつが広がります。触るとぶつぶつ、ざらざらした感じになります。かゆみがないことがほとんどですが、皮膚の表面が全体に乾燥してくると、かゆみがでてくることもあります。
日本の10代の30~40%に見られるとも言われ、また年代問わず4人に1人の割合で発症しているとも言われています。
治療法
毛孔性苔癬の症状は思春期頃にピークを迎えますが、加齢とともに軽快し、中年以降には自然に治ることがほとんどです。そのため、基本的に特別な治療は必要ありません。
症状が気になる場合は、比較的ダウンタイムもなくできる施術としてサリチル酸マクロゴールピールというピーリングがあります。硬くなった角質を軟化させ、皮膚のザラザラした質感を軽減することができます。
毛孔性苔癬は、角質が毛穴の出口を塞いで閉鎖空間になり炎症が起きます。炎症は毛穴に沿って表皮よりも深い真皮層まで波及するため深いところにまで及んでいると考えられ、表皮だけでなく真皮の深さにも治療を行っていくのが有効と考えられています。
ピーリングのみでは改善が難しい方や、ダウンタイムを伴う施術に抵抗がない方は、ダーマペン4がおすすめです。目には見えない小さな穴を皮膚表面に開けて肌を刺激し、皮膚の持つ再生能力を活かし、肌の調子を整えていきます。完治が難しくあきらめかけていた二の腕のぶつぶつや背中のぶつぶつはサラサラのお肌へと生まれ変わります。
また、毛穴詰まりのもとになる毛を減らすという意味で、脱毛の施術もおすすめです。赤みや色素沈着の色味があると脱毛照射が出来ないと言われた方は多いと思います。炎症が強い場合や色素沈着の色味がしっかりとある場合は、照射が難しい可能性もありますが、脱毛機のアレキサンドライトレーザーには、「ブツブツの改善(毛孔性苔癬の治療)」の効果が報告されています。すべてのクリニックにアレキサンドライトレーザーが用意されているわけではありませんので、その点はご注意ください。ちなみに、アレキサンドライトレーザーの波長は755nmで、脱毛効果も高いうえに、肌の比較的浅いところにレーザーが届きます。さらに、背中のような広い部位も、顔のような凹凸のある細かい部位にも照射可能です。表皮や少し奥の層のメラニン色素を効果的に破壊してシミやあざ、ニキビ跡などの色素沈着も、毛孔性苔癬の治療もできるという、一挙両得な美肌レーザーなのです。
毛孔性苔癬の症状があるお肌に自己処理は厳禁です。表皮は硬くてデコボコ・ザラザラしていますから、カミソリの刃がひっかかりやすく、自己処理によって表皮を削り取ってしまったり毛穴が傷ついてバイキンが入ったりすることでさらに角化する恐れがあります。毛孔性苔癬の症状を改善するどころか悪化させてしまうので、自己処理はせず脱毛照射にしましょう。
ダーマペン4と脱毛は同日施術が出来かねるため、施術間隔とお肌状態に合わせて並行しながらやっていくことが良いでしょう。
また、施術栄養療法の併用により更に効果が期待できます。ビタミンAと亜鉛は肌の代謝を助けてくれる働きがありますので、サプリメントで飲むと良いでしょう。
以上が「毛孔性苔癬」の原因と治療法についてです。
なかなか治らず悩んでいる方は、一度カウンセリングでご相談ください。