【医師監修】イボや脂漏性角化症、年齢とともに増える“肌のざらつき”の正体

「最近、肌を触るとボコボコしている気がする」
「メイクのノリが悪くなった」
「首やこめかみに“小さなできもの”が増えてきた気がする」

それ、“加齢のせい”と片づけていませんか？

30代後半以降、肌のざらつきや小さなできものが目立ち始めるのは、珍しいことではありません。
その正体のひとつが、イボ（脂漏性角化症）や良性の皮膚腫瘍です。

今回は、年齢とともに増える「肌のざらつき」の原因と、
それにどう対処すべきかを、美容皮膚科の視点から解説します。

肌のざらつき、「古い角質」だけが原因じゃない？

スキンケアでは「角質ケア」や「ピーリング」が注目されがちですが、
大人の肌ざわりに影響しているのは、実は“皮膚の盛り上がり”かもしれません。

それが、いわゆる「老人性イボ（脂漏性角化症）」です。

脂漏性角化症（しろうせいかくかしょう）は、中高年以降に多く見られる皮膚の良性腫瘍で、俗に「老人性イボ」や「年齢とともにできるシミ・できもの」などと呼ばれることもあります。

主に顔・胸元・背中・手の甲など、日常的に紫外線にさらされやすい部位に出現し、小さなシミのようなものから、表面が盛り上がってイボ状になったものまで、形や色もさまざまです。

こんなサインがあれば要チェック！！

年齢とともに1個、2個…と増えていき、
気づけば「ファンデのノリが悪くなった」「肌がごわついてきた」といった悩みに直結します。

肌の美しさを印象づける要素は、以下の3つ。

このうち、「なめらかさ」は肌に触れたときだけでなく、光の反射にも影響します。

つまり、脂漏性角化症やイボがあると、

など、実年齢よりも老けた印象につながるのです。

脂漏性角化症やイボは、見た目に反して不安を感じやすい変化ですが、
ほとんどが良性で、治療可能です。

治療法	特徴	向いているケース
炭酸ガスレーザー（CO₂）	組織の水分に反応して蒸散させる。止血効果もあり、傷跡が残りにくい。高精度でピンポイント除去が可能。	顔・首など傷跡を避けたい部位、少数の病変
電気メス（高周波メス）	高周波電流で組織を焼灼して除去。出血を抑えられ、比較的短時間で処置が完了。	やや大きめの病変、炭酸ガスレーザーが難しい症例
液体窒素（凍結療法）	-196℃の窒素で凍結壊死させる。保険適用になる場合が多く、コストを抑えたい方に。	全身の小さなイボ、数が多い場合
メスによる切除（外科的切除）	皮膚をメスで切除し、縫合する方法。完全に取りきりたい場合や、病理検査が必要な場合に選択される。	大型の腫瘍、悪性が疑われる場合