【医師監修】医療HIFU(ハイフ)は危険?
最近たるみやシワ改善目的の美容治療として人気の、「HIFU(ハイフ)」による事故が多発していると報道されています。即効性もあり、針やメスを一切使わずに超音波を照射する施術ですが、危険性はどこにあるのでしょうか。詳しく解説します。
HIFU(ハイフ)とは
まず初めに、HIFUとは高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound)の略称です。高密度の超音波を皮下組織や筋膜に照射することで、肌表面を傷つけずに組織を変化させることで主に肌を引き締めたり皮下脂肪を減少させたりする治療です。HIFUは元々、腫瘍の除去などの医療分野で用いられてきた治療行為です。
HIFU(ハイフ)のメカニズム
ハイフは真皮層、脂肪層のさらに下にある、SMAS層と肉付きなどをみてそれぞれ狙った深さに合わせたカートリッジを選び、60~70度の高熱を加えていきます。組織に火傷のようなダメージを与えることで、人が持つ傷を治す力(創傷治癒力)によって修復され、その過程で新しくコラーゲンが生成されます。筋膜の収縮とコラーゲン増生により、肌がリフトアップされる仕組みです。また、SMAS層だけでなく脂肪層や真皮層も狙って照射できるため、脂肪を破壊してボリュームを減らしたり、コラーゲン増生による弾力アップなどの効果も期待できます。
効果
- 引き締め効果
- リフトアップ
- 部分痩せ効果
- ハリ効果(コラーゲン生成)
- 小ジワ改善
- 毛穴改善
危険性
HIFU治療による神経障害などの副作用が最近報道されました。美容目的のHIFU 施術には、美容クリニックで医師が実施するもの、エステサロンでエステティシャンが取り扱うもの、更に利⽤者本人が利用するセルフエステなどがあります。HIFU施術者は国家資格である医師免許や看護師免許を所持していなくても施術することができました。つまり“誰でも”施術可能だったため危険性を十分に理解していないまま施術をしていたことで神経障害や白内障などの事故多発に繋がりました。
しかし、HIFUは違反行為ではなく正しく使用できれば効果の高くダウンタイムもほぼなく施術とも言えます。医師が在籍するクリニックで施術を受けることを推進します。
監修医師 三浦 梢
経歴
2009年 東京慈恵会医科大学医学部卒業
厚木市立病院勤務
2011年 横浜労災病院勤務
2014年 東京慈恵会医科大学麻酔科学講座
東京都内美容クリニック勤務
2016年 済生会横浜市東部病院勤務
東京都内美容クリニック勤務
2023年 Mavie Beauty Clinic入職
資格・所属
・日本麻酔科学会認定医/専門医
・厚生労働省麻酔科標榜医
・ボトックスビスタ認定医
・ジュビダームビスタ認定医