【医師監修】カリウムがむくみを撃退!その理由とは
必須ミネラルの一つであるカリウムは、むくみと大きな関係を持つ栄養素です。今回は、カリウムがダイエットに効果があるのか、そもそもカリウムとは?などカリウムに関して徹底的に解説します。
カリウムとは
カリウムは人間が生きていくために欠かせないミネラルの一種です。ミネラルにはさまざまな種類があり、主に体の機能を調節したり、健康を維持する働きがあります。
ミネラルは100種類以上存在していますが、体内では合成されず不足すると欠乏状態常になるため、食事からでは不足しがちなミネラルを「必須ミネラル」といいます。現在、必須ミネラルは16種類とされています。カリウムは必須ミネラルの一つです。
カリウムは成人の体内に約200g含まれています。ほとんどは細胞内に存在していますが、僅か血液・リンパなどの体液や骨にも存在しています。カリウムはナトリウムと相互に作用しながら、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持したりするのに重要な役割を果たしています。
カリウムの働き
必須ミネラルであるカリウムは、ヒトが若々しく元気に生きていくために必要な役割を担っています。カリウムの主な働きを紹介します。
- 過剰なナトリウムの排出
- 神経や筋肉の働きの正常化
- 細胞の浸透圧や体液のpHの調整
カリウムはダイエットに効果がある?
結論から言えば、カリウムには脂肪燃焼効果はありません。しかし、カリウムにはむくみの解消や予防の効果が期待できます。
ヒトの体は約60%が水分でできています。むくみの原因は、細胞と細胞の間に水がたまりそれが増加したものがむくみです。このような現象が起きる代表的な原因の一つが塩分の過剰摂取です。体内の塩分濃度が高くなると、体は塩分を薄めようとして水分をため込もうとするのでむくみに繋がります。
カリウムは塩分の主成分であるナトリウムを排出する働きがあるので摂取することで、むくみの解消や予防に効果が期待できるのです。
むくみ自体が脂肪になることはありませんが、血液や老廃物が滞る原因になるため、むくみをケアしないとセルライトができやすくなります。
カリウムは一日にどのくらい摂取すべき?
厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、カリウムの一日の摂取目安量は18歳以上の男性で2,500mg、女性で2,000mgでした。また、生活習慣病の予防を目的とした一日の摂取目標量は18歳以上の男性で3,000mg以上、女性で2,600mg以上とされています。
ただし、WHOのガイドラインによると、生活習慣病予防のために推奨される一日のカリウム摂取量は3,510mgです。元々日本人のカリウム摂取量が少なく、令和元年国民健康・栄養調査結果におけるカリウムの1日の摂取量は平均で2,299.4mgでした。
カリウムが不足するとどうなる?
- 筋力の低下
- 脱力感
- 筋肉痛
- 動悸
- 食欲不振
またカリウム不足による症状を放置すると以下のような症状が現れる可能性があります。
- 意識消失
- 便秘
- 多尿
- 腸閉塞
- 不整脈
カリウムはさまざまな食品に含まれているため、欠乏症になることは珍しいです。しかし、嘔吐や下痢、大量の発汗などが続くとカリウムも大量に排出されてしまい、カリウム不足に陥ってしまうことがあります。また、腎臓疾患がある方、利尿作用のある薬を飲んでいる方、インスリン注射を打っている方なども、不足しやすいので注意しましょう。
カリウムが多く含まれる食材
カリウムはさまざまな食材に含まれています。カリウムが多く含まれている食材を紹介します。
芋類
- 里芋
- 長芋
- ジャガイモ
- サツマイモ
海藻類
- 刻み昆布
- 干しひじき
- 真昆布
- あおさ
- 焼きのり
- 塩昆布
- 生わかめ
- 乾燥わかめ
野菜類
- 切り干し大根
- ほうれん草
- アボカド
- 枝豆
- にんじん
果物類
- 干し柿
- バナナ
- ドライマンゴー
- メロン
豆類
- 蒸し大豆
- ひきわり納豆
- 豆乳
- あずき
肉類
- ささみ
- 豚ヒレ肉
- 豚もも肉
- 豚ロース肉
- 牛もも肉
- 牛ヒレ肉
- 鶏もも肉
- 豚生ハム※塩分量も多いので注意
魚介類
- さわら
- カンパチ
- 真鯛
- カツオ
カリウムを摂取する際のポイント
POINT★生で食べる
カリウムは水に溶けやすい性質を持っています。そのため、食事で取る場合はできるだけ生で食べるようにしましょう。
ただし果物の場合は、乾燥あんず、乾燥いちじく、干しぶどう、干し柿などのように、ドライフルーツにした方が多くのカリウムを摂取できるものもあります。
過剰摂取には注意!
日本人の食生活でカリウムの過剰摂取ななる可能性はかなり低いため、厚生労働省は上限を定めていません。しかし、サプリメントを飲んで短い時間に多量のカリウムを摂取してしまうと、高カリウム血症を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。高カリウム血症になると、以下のような症状が現れます。
- 吐き気
- しびれ
- 脱力感
- 不整脈
カリウムのむくみの解消・予防の効果をより高める方法
- 栄養バランスの良い食事を取る
- 塩分を控える
- アルコールを控える
- カラダを温める
- 適度に運動する
- こまめに水を飲む
むくみが解消されてもボディラインが気になる方は美容医療
脂肪冷却
脂肪冷却とは、脂肪細胞を凍らせて壊死させることで、ダイエットを目指す医療痩身のことです。脂肪細胞そのものが減少するため、セルライトの元である肥大化した脂肪細胞を体内から除去することができます。
まとめ
いかがだったでしょうか。本日はカリウムに関してのコラムをご紹介しました。程よくカリウムを取り入れて、美しく健康的な生活を過ごしましょう!
監修医師 三浦 梢
経歴
2009年 東京慈恵会医科大学医学部卒業
厚木市立病院勤務
2011年 横浜労災病院勤務
2014年 東京慈恵会医科大学麻酔科学講座
東京都内美容クリニック勤務
2016年 済生会横浜市東部病院勤務
東京都内美容クリニック勤務
2023年 Mavie Beauty Clinic入職
資格・所属
・日本麻酔科学会認定医/専門医
・厚生労働省麻酔科標榜医
・ボトックスビスタ認定医
・ジュビダームビスタ認定医